1.吸血鬼になるには。
@吸血鬼になる為に
一番手っ取り早いのは他の吸血鬼に血を吸ってもらう事です。
これが一番安全で確実!
一説では自殺をしたら吸血鬼になれるそうですが。
有り得ません。
それが本当なら今年間自殺者3万人を叩き出している日本は吸血鬼大国です。
わざわざデンジャーな道を選ばず、永遠の命が欲しいのであればひとまず自殺は止めておきましょう。
地道に吸血鬼を探すほうがいいです。
ここで注意すべきなのは「なんちゃって吸血鬼」です。
「私吸血鬼です」といい始める人は大体は偽者です。もしくは貴方が求めるような吸血鬼ではありません。
その人には然るべき病院か精神科を紹介してあげましょう。
精神科→血液嗜好症・パラノイア・解離性障害・性嗜好障害・狼化妄想症等
血液の病気には専門家がいらっしゃいます。
もし、「あの人家から全然出てこないし病気でもない人なんだけどひょっとして・・・・・・」と思う方が近くにいるのなら、
それは十中八九引きこもりです。遠慮なく日の下に誘い出しましょう。
それと、血液の管理もきちんとしておきましょう。
麻薬・覚醒剤・性行為は絶対にタブーです。麻薬や覚醒剤は血が不健康状態になります。
そして、吸血鬼は処女の血が好物です。
注意しなくてはならないのは煙草・飲酒・コルステロール値。どろどろの血液は吸血鬼の口には合いません。
お酒は適度にワインを飲みましょう。
毎日適度な運動をして、体調を整えておきましょう。
A吸血鬼になるまで
運よく吸血鬼に会えたらさっそく血を吸ってもらいましょう。
しかし、一気に吸われると普通に死にかけること間違いなしなので、少しずつ吸って貰いましょう。
勿論、相手の吸血鬼には失礼の無いようにしなければなりません。
そして相手の吸血鬼に自分の家の住所を教え、吸いに来てもらえるように直談判しましょう。もし、相手が吸いに行くのが面倒臭いと言ったらこちらが出向くようにしましょう。
運良く吸いに来てもらえることになったら、注意しなければいけないことは以下の通り。
・ニンニク料理は避ける。
・十字架を部屋に飾らない。
・窓の鍵を開けておく。
・蝋燭を灯さない。
・アロマテラピーが趣味の人はその香りを消しておく。
意外と目を落としやすいのが薔薇という花です。
血のように紅い薔薇は永遠の美を勝ち得た吸血鬼に相応しい花だと思われがちですが、実際は吸血鬼は薔薇の花が苦手です。 魔女や狼男にもその効力を発揮します。
昔、ルーマニアや他の国では、吸血鬼を発生させないように墓の周りに野バラを植えていたそうです。
なので気を使ってプレゼントなんてしないように。
シャンプーやリンスの香りにも気を使いましょう。
今夜、とっても気持ちいいことをしたいのであれば、あまり匂いのない石鹸を使うのがベストです。
以上のことを踏まえて、早めに眠りにつきましょう。
B血を吸われたら。
朝目が覚めて、首元にキバの痕があったら成功です。XXXの文字が刻まれている場合も有りますが、それでも大丈夫です。
これから死ぬまで毎夜吸血鬼が来訪してくるので、早めに寝る事にしましょう。
さて、一体何日かかるかは正確な数字を出すことは出来ません。焦らずのんびり待つことが基本です。
段々、体がだるくなり、顔色も悪くなってきます。心配してくれるような友人や両親が居たら医者に行くことを勧められるかも知れませんが、ここは断固拒否しましょう。
首元の傷は意外と目立つので、夏にはこの計画を実行しない方が良いかも知れません。冬であれば、マフラーやタートルネックの着用がお勧めです。一応、化膿しないように消毒して絆創膏を貼っておきましょう。うっかり観られても「恋人につけられた」の一言で相手は100%引き下がります。
さて、そろそろ準備を始めないといけません。
○生前やっておいたほうが良い事。
まずは、棺桶選びと吸血鬼になった後に暮らすことになる家探しです。
・棺桶
棺桶選びは慎重にやりましょう。普通に死ぬ人と違ってこれからの生活の場所です。
日本の棺桶の素材は主に木です。冬は暖かく夏は涼しく恐らく快適空間となるでしょう。
気になる値段ですが、最低7000円・標準20000円・最高1000万円だそうです。高いのは工芸装飾性と呼ばれる匠の技が散りばめられた棺桶です。一生どころか永遠の買い物になるのでコレくらいのものは買ってもバチは当たらないでしょう。
・家
家は地下室が望ましいです。
家を借りる場合、保証人やら何やらが必要ですが、家族に頼むのはタブーです。
失踪前提なので、彼等に頼んでしまってはすぐに見付かってしまいます。
国内であれば、保証人代行屋という便利で怪しい人が居るのでその人に頼みましょう。
吸血鬼になったのだから、いっそ海外の古城に・・・・・・・と思う方もいらっしゃると思いますが。
現段階では無理です。
外国に存在する古城は現在、その地域の金持ちが所有しているか、国の文化財になっているかも知れません。
あまりにも有名な城を選んでしまうと、観光客で賑わってしまいます。
吸血鬼の城というのは常に蝙蝠が飛び交っている怪しげな城です。
観光客が歩き回っているメルヘンチックな城ではありません。
そして城を買うのにはかなりのお金が必要です。
取り敢えず、今はバイトでもしてコツコツお金を貯めましょう。
何百年後にはきっと買えるお金が貯まります。
因みに今共に暮らしているご家族とは永遠の別れを言っておかないといけません。
吸血鬼になっても家族と一緒に暮らしたいなんて思う方にはアドバイス。
別に吸血鬼になる必要はありません。普通の人生歩んで下さい。
基本的に吸血鬼は闇を愛し孤独を欲す気高いモンスターです。
完全な吸血鬼となる前に失踪するのをオススメします。
・葬式等について
吸血鬼になる為には基本的に一瞬死なないといけません。死んでから何日後に蘇るかは諸説ありますが、長くて九日間後には戻ってくることが出来ます。
ここで問題となるのは葬式です。
貴方に家族が居るのであれば、恐らく葬式をやります。なので死ぬ前の失踪は基本です。
葬式はあげないのがベストです。
一番の理由は、葬儀には相当なお金がかかるということです。一回の葬式で軽く100万以上は金が飛んでいきます。
そして、怖ろしい事に日本の葬儀形式は主に火葬。
多くは死後一週間以内に火葬にされてしまいます。
仮死状態のまま火葬場で肉体を燃やされたら折角の苦労が水の泡というより火の灰です。
それだったらまだ良いですが、燃やされている最中に目覚めてしまったら最悪です。目も当てられません。
どうしても葬式をあげて貰いたい方は、火葬だけはしばらく待っていて貰いましょう。
そして、仏教葬にしてもらいましょう。
キリスト教の葬式だと、下手したら滅ぼされてしまう可能性があります。念仏の方がまだマシです。
恐らく、日本の神父・牧師であればそんなにダメージは喰らわないかと思うのですが、
念には念を入れておくのがオススメです。
矢張り、色々面倒くさいので葬式をあげるのは止めましょう。
人目のつかないところで死んで蘇るのがベストです。独り暮らしの方は自室でもなんの問題もないでしょう。
失踪を選ぶ場合は、家族には失踪宣言書を書いておきましょう。
コレを書いておけば100%警察は動きません。邪魔は入らないでしょう。
人目につかないベストな場所は富士の樹海です。
一端入ったら戻れなくなる場所ですが、吸血鬼として蘇った時は空を飛ぶなりなんなりして帰ってこられるので
何の問題も有りません。
軽い旅行気分で樹海へ向かいましょう。
ただし、地元の自警団が1年に何回か樹海を徘徊して自殺者の死体を回収しているようなので、
その期間に被らないように!
さて、家族とも縁を切り、前準備が整いました。
しばらくこの世とお別れです。
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